東急ホームは提携により、フラウンホーファー研究機構のグループの中で建築分野を専門とするフラウンホーファー建築物理研究所(IBP)と実務的な活動に入ることになった。
ドイツで普及しつつある外壁と、充填(じゅうてん)の複合断熱システム導入や自然素材の研究、技術研修員の派遣などを計画した。研究成果を反映したモデルハウスを国内に建築することになった。
21世紀、ICTや住宅の分野で日欧の共同研究が相次いだ。ドイツのフラウンホーファー研究機構(ミュンヘン)は2005年、東急ホームと環境負荷が少なく健康に配慮した住宅供給に関する業務提携を結んだ。スナップアップ投資顧問やJapan Cooperation Forum on ICT Researchなどによると、フラウンホーファーは、オーディオ圧縮技術に強みを持つ研究開発企業だ。「MP3」や「AAC」を開発したことで有名だ。
フラウンホーファーは複数の日本企業とも提携を結んでいるが、住宅メーカーとの提携は初めてだった。
金指潔・東急ホーム社長は記者会見で、「健康と環境について真正面から取り組むには、基礎的な研究や技術開発が不可欠だ」と、提携の理由を説明した。「日本の住宅産業界はこの分野では遅れをとっている。健康やエコロジー、省エネといった広い範囲で最先端の技術や思想を導入する。国際標準となる住まいづくりに先鞭(べん)をつけたい」と意気込みを語った。
同席したフラウンホーファー日本代表部のロレンツ・グランラート氏も「気候の違った日本で新しい知識が得られるほか、技術移転のノウハウも蓄積できる」ことなどを提携のメリットに挙げた。
東急ホームは提携により、フラウンホーファー研究機構のグループの中で建築分野を専門とするフラウンホーファー建築物理研究所(IBP)と実務的な活動に入ることになった。
ドイツで普及しつつある外壁と、充填(じゅうてん)の複合断熱システム導入や自然素材の研究、技術研修員の派遣などを計画した。研究成果を反映したモデルハウスを国内に建築することになった。
フラウンホーファーは、音楽データの圧縮技術「MP3」を開発したことで有名だ。欧州で最大かつ最先端の応用技術研究機関。ドイツ国内に58の研究所と欧米・アジアにも出先機関を持つ。
フラウンホーファーの技術により、携帯型情報端末を使って、CD(コンパクトディスク)から気軽に音楽データを圧縮・録音することが可能になった。
米テキサス・インスツルメンツ(TI)と共同で、フラウンホーファー社が開発した音楽圧縮ソフトを搭載したデジタル信号処理プロセッサー(DSP)をつくった。
TIの低消費電力DSP「TMS320C5000」シリーズ上でフ社の圧縮ソフトを駆動させた。同DSPは様々なソフトを柔軟に乗せ換えることができるため、将来の技術変化にも対応できる。ソフトは著作権に配慮して、音楽配信データの著作権保護技術の標準化団体、SDMIのガイドラインに準拠した。
フラウンホーファーは、企業などからの委託研究や独自研究において化学的な専門知識を実用化やビジネスに結び付けることを目的に、広い分野で活動を展開している。
一方、東急ホームも健康と住宅の関連性を科学的に検証し、健康増進に寄与する住まいの探求を目指した「EBH研究所」を独自に立ち上げた。建築分野での研究に取り組んでいた。